独立行政法人日本学術振興会 インターナショナルトレーニングプログラム International Training Program, Japan Society for the Promotion of Science


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本プログラムの目的
 高機能新規ナノ材料およびナノデバイスの創成とその応用技術の実現には, 物質を原子・分子レベルに分解し制御する高度プラズマプロセシング技術が不可欠です。 プラズマナノ科学は,プラズマ理工学,電子工学,応用物理学,応用化学,プロセス工学などを基礎とする学際的領域であり, その学問的体系化は現在途上にありますが,これまで,我が国において,プラズマナノ科学を総合的に教育研究する機関が皆無であったことは, この分野の学問的体系化を遅らせ,また,この分野を修めた人材の輩出に関する産業界からの要請に十分に応えられないという問題を生じていると考えられます。 名古屋大学では,プラズマナノ工学研究センターの発足を機に,プラズマナノ科学の総合的教育研究を行い, 産業界からの人材輩出要請に応えるための体制作りに着手しました。プラズマプロセシングは国際競争が極めて厳しい分野のため, 将来本分野をリードする人材には国際的視野が不可欠であり,産業界もそのような人材を求めています。

 本事業は,プラズマナノ工学研究センターのこれまでの国際交流・学生教育に関する実績をもとに, 複数の博士課程学生あるいはポスドクをルール大学ボッフム校、成均館大学、テキサス大学ダラス校, トゥウェンテ大学メサプラス研究所、クイーンズ大学ベルファスト校プラズマ物理センターに派遣するものです。 ルール大学ボッフム校およびクイーンズ大学ベルファスト校はプラズマの基礎研究において著しい成果を挙げており,そこでの研究やセミナーへの参加を通じて プラズマに関する基礎的スキルの向上が期待できます。プラズマの応用研究を主眼とする成均館大学への派遣では,プラズマ応用技術の最先端を研究し,将来重要となるプラズマ応用技術を洞察する機会が得られます。また,バイオに関連したプラズマプロセスの研究に力をいれているテキサス大学ダラス校およびバイオデバイス研究の中心機関のひとつであるトゥウェンテ大学メサプラス研究所への派遣では,プラズマ新規応用技術を学ぶ機会が得られます。 これら五機関への若手研究者の派遣を通して,博士課程学生,ポスドクを中心とする基礎力と応用力のバランスの取れた若手研究者の能力開発を図り,産業界および学界からの人材輩出要請に応える体制を整えることが本プログラムの目標です。